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【観劇感想】劇団フェルマータ『ゆうかい』と考えた事

劇団フェルマータ『ゆうかい』の初日を観てきました。ザムザ阿佐ヶ谷で12日(月)まで。

 

「故人複製型ヒューマノイド」つまり故人の容姿、記憶、人格を正確に再現したヒューマノイドを完成させた研究者とその周囲の人々を描いています。ただしそれは非合法という世界観。

 

前作『引力』と繋がりのある世界。自分は前作は観てないものの、脚本の漆野束さんに一部を読ませて頂く機会があり、興味をもって観に行きました。

漆野さんに話を聞いた時に印象的だった話は、ヒューマノイドとか人型ロボットとかこれから先完成していくと、人間とヒューマノイドの境目なんてなくなるんじゃないかってことです。

ヒューマノイドが人間と同じ見た目だったら?記憶や意思をもったら?愛情を持ったら?生殖機能を持ったら?

 

今回の「ゆうかい」では、ヒューマノイドと結婚しようとする女性が出てきます。

故人のヒューマノイドをその家族に要求する女性も出てきます。

そして思わぬところにも愛が見えてきます。

ヒューマノイドと人間が、人間同士と変わらないような関係を築けたら、どうなっていくのだろう。そして、でも決定的に違う所があるのだろうか。そんなことを観ながら考えました。

 

似たような話で、先日AIやロボットの話を聞いてきたんですが、今、たとえば義足をしている人をロボットとは言わないですよね。人口心臓を持っている人もロボットとは言わない。じゃあどこからがロボットなんだろう?脳が人間なら人間といえる?じゃあ脳以外はロボットだったら?なんかマトリックスの世界みたいですね。

 

さらに「恋愛」って感情に限っていうと、ヒューマノイドに恋とかするんでしょうかね?

ないわ!と思うかもしれないけど、生身の人間じゃなく二次元に恋する人もいるわけです。

アイドルに恋する人もいます。こちらは生身の人間ですが、テレビに出ているアイドルが本当のその人かっていうと疑問で、いわば仮想の人間のような気もします。

キャバ嬢やホストにはまる人、風俗にはまる人もいます。喋れるし触れるし、エロいこともできます。でもそれはその人達の素ではないでしょう。

そう考えると、人間とほぼ変わらないヒューマノイドができたら、コロッと恋する人間なんていくらでもいそうです。自分もどうなるかわかりません笑

 

 

今回の芝居では恋愛以外の愛も描かれてます。そして、おお、ここで終わるか、というところで終わりました。起承転結の結がない感じ。

おそらくそれは意図的に、その後を考えてほしいというメッセージなのだと思いましたよ。

 

【公演情報】

劇団フェルマータ 第7回公演 『ゆうかい

脚本:漆野束 演出:木村みずき
日時:2018年 2月10日(土)18:00~
2月11日(日)13:00~,17:00~
2月12日(祝)13:00~,17:00~
会場:ザムザ阿佐谷(杉並区阿佐ヶ谷北2-12-21 ラピュタビル地下1階)
JR阿佐ヶ谷駅 北口より徒歩2分
チケット:前売 2,000円  当日 2,500円 学割 1,500円
※学割の適用は高校生までと致します。受付にて学生証をご提示ください。
キャスト
石川温子 内田拓夢 倉元宏宜 白井葉月 杉本和樹 中澤汎造 西守京 翡翠

スタッフ
脚本:漆野束 演出:木村みずき 演出補佐:のとまみ
音響:東海林豊 照明プランニング:翡翠
ノベルティのとまみ子 小道具:mico. 宣伝美術:木村みずき
広報:石川温子 制作:池田聖奈

http://fermata.michikusa.jp/kokuchi.html